手術器械について

原点は、引き継がれた高い技能と未来を考えるデザインの融合

ニチオンの手がける手術器械の起源は、越後の郷士であった石川六郎氏が刀類の凹み研ぎを創始した明治4年まで遡ります。

技術は時の変遷と共に引き継がれ、明治42年に本田将隆氏によって、耳鼻咽喉科の手術器械・診断器具の製造が開始されました。この際に集められたのは、鍛冶やからくり、かんざしなど日本の伝統的な技術を身に付けた職人たちでした。

ここから多くの仕上職人の育成と、技能継承の確立に成功。職人から職人へ、技術をつなぎながら、長い年月をかけて素材の研究開発を行ってまいりました。

歴史と共に重ねてきたこれらの実績と技術力が、今日のニチオンを造り、また最先端技術を要する研究機関との共同開発につながっているのです。これからも決して歩みを止めることはありません。

日本の外科技術を最大限活かすには、精巧な手術器械が不可欠。

精度の高い手術の実現には、外科医の手技に加え、精巧な手術器械が必要です。

どれだけ優れた技能を有した外科医だとしても、手術器械の性能がそれに伴わなければ、力を十分に発揮することはできません。

私たちは、外科医が最大限に技術力を発揮できるよう、現場の声を取り入れつつ、“精巧さ”にこだわった手術器械を提供しております。

その中の1つであるBJニードルは、臨床ニーズから低侵襲手技研究を進めて開発した補助鉗子です。3年以上にわたる臨床評価を通じて、体腔内縫合においてのパフォーマンスの高さ、腹膜の縫合閉鎖の際の持針器のレシーバーとしての有用性などが認められ、製品化に至りました。そしてその技術は今なお進化し続けています。

製造技術

凡そ100年前、日本耳鼻咽喉科学会との手技に必要な新しい手術器械器具を創出したところから、私たちの試作の歩みは始まりました。

1911年に、帝国医科大学などから開発依頼を受け、耳鼻咽喉科手術器械器具を試作。

これが日本初となる管状器機製作のきっかけとなり、昭和10年以降には耳鼻咽喉科領域以外でも、多岐にわたって手術器械・器具の試作を手掛けるようになりました。現在では内視鏡関連製品はもとより、日々革新的な手術器械の設計や試作開発に取り組んでおります。

 

音叉

社名の由来であるNIPPON-ONSAを1937年より半世紀以上にわたり作り続けています。ニチオンブランドの音叉はひとつひとつ、職人たちの手作業によって作り出されており、技術に裏打ちされた確かな性能で医療・教育・校正・音楽と幅広い分野の皆様にご愛用頂いております。

制作風景